レポート

アルツハイマーデー記念講演会を開催しました!

9月16日に兵庫県農業会館にて、アルツハイマーデー記念講演会を開催いたしました。

認知症基本法が制定されたことを受け、この度、姫路市ご出身である、厚生労働省 老健局 認知症施策 地域介護推進課長 和田幸典氏に「認知症と共に生きる社会に向けて」というタイトルでご講演いただきました。

内容は大きく分けて⓵認知症施策に関する基本情報⓶共生社会の実現を推進するための認知症基本法⓷認知症施策推進大綱の概要。細かく解説し、難しい施策の内容をわかりやすくお話しただきました。

 認知症基本法は遅くても来年6月には施行される予定で動きがなされています。基本計画の策定には“認知症の人及び家族等により構成される関係者会議”が設置され、意見を聴きながら進められていくようです。「社会での対策法」「認知症の人やその家族が地域において安心して生活できるように」「個性と能力を発揮し、その人らしく社会で生きる」というところが論点となっています。これまで認知症施策推進大綱を受けて、全国的にそれぞれでそこへ向けての取り組みが進められてきました。まだ根強く残る“周りに知られないように”という思いにどこまで響き、孤立しない地域社会を創っていけるのか、ヒト対ヒトという感情や個々の価値観などに左右される関係性にある者同士が共生していくにはどういうことをしていけば良いのか、課題としては色々あります。ひとつでも多くの課題が解決できる仕組みづくりに繋がる内容であってもらいたいと思います。

 認知症施策推進大綱は「普及啓発・本人発信支援」「予防」「医療・ケア・介護サービス・介護者への支援」「認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援」「研究開発・産業促進・国際展開」の5つの柱で構成されています。和田氏からは、“5つの柱がそろっているというより地域にあった対策を進めていくことが大切”という言葉がありました。そして、日本でも『リンクワーカー』の仕組みを入れていくのが良いのではないかとの言葉もありました。『リンクワーカー』とは、人や地域・社会資源へ繋ぐことを役割としている人のことです。日本ではあまり意識されていない部分です。兵庫県内でもリンクワーカーを養成するといった取り組みをされている所もありますが、県内全体に広げていくことで、より課題の解決につながるのではないかと感じました。今回のご講演の機会があったからこそ考えることができ、これからの社会づくりのことを違う視点で考えることができました。

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